不動産物語

不動産売却について詳しく解説

田舎不動産の値段の決まり方を知ろう!

都市部の不動産物件とは違い、田舎の不動産物件の値段(相場)はわかりにくい、という声をよく耳にします。特にこれまで不動産売買になじみのなかった人や田舎暮らしに縁のなかった人であれば無理もない事なのですが、これからいざ田舎不動産の売買の当事者になろうという人であれば、それでは不安です。

 

 

自分の購入希望の物件が実は安いのか高いのかといった判断もつかないまま購入決定することは危険ですし、知らないまま取引すれば後々損な取引だったということに気づかされかねません。

 

 

そこでここでは一般に田舎物件の値段がわかりづらいといわれるその原因と素人目でもわかるような田舎物件の値段事情と判断法を紹介したいと思います。まず、田舎物件の値段というものは一体どのようにして決まるのかを説明しましょう。

 

 

よく不動産広告には売り出し価格として「××県△△町 土地 ○○万円!」という広告が打たれています。ちょっと裏話的な内容になってしまいますが、まず、読者の皆さんに知っておいていただきたいのは、こうした広告で打ち出されている価格というのは、単なる売り出し価格にすぎず、実際上の成約価格とは異なってくるということです。

 

 

実際にいくらで契約がまとまるのか(契約上の注意点に関しては前章までの内容を参考にしてください)、ということとは別に、こうしたチラシや広告に出ている値段というのは、あくまで一つの目安となる指標にすぎない、と理解してもらっていいのです。読者の皆さんの中でも、こうした広告を見たとき、「この物件、本当にそれだけの価値があるのかな?」と思われた方も多いのではないかと思います。

 

 

とりわけ都市部の物件のように大規模マンションや公団・公社、一戸建て分譲地区といった、価格や物件自体が均質化されていれば、それが周辺相場の指標になりうるため、業者としても「ああ、あの辺りでその程度の物件なら今なら○○万円だよ。」と明確なことがいえるのですが、こと田舎物件に関する限りは、取引事例の参考になりそうな情報そのものが少ないため明確な値段設定ができないのです。

 

 

特に農村の奥まった地帯の物件であれば、ここ10数年余り、同じ村内で農地を含めた不動産の売買は行われていない、といったケースも珍しくはなく、物件流通そのものが停滞している状態です。

 

 

こうなってくると、プロであるはずの地元や周辺地域の不動産業者にすら正確な値段の判定ができないため、おのずと、売主に対しては「これぐらいの値段なら、(運がよければ)買い手がつくんじゃない?」という含みを持ったアドバイスになってしまうのです。

 

 

業者側としても、物件査定の際には内心「本当にこの値段をつけていいのかな?」と自問自答するときもあるのですが、最終的な判断は当事者である売主が決めることになりますから無理強いはしません。

 

 

時には、売主側の強い要望で案外法外な高い値段で売りに出されているケースも多く(売却依頼は自由で、契約がまとまるまでは業者に対しての仲介料等の費用一切はかからない)、購入希望客が寄り付かない物件も数多く存在します。

 

 

(ただし、こうした物件はそもそもの値段設定が高すぎるため、いざ契約交渉の段になると、案外すんなりと大幅な値引き交渉も通ってしまうことが少なくない)購入希望者の皆さんが、具体的に欲しい物件があったとして、その物件の事実上の相場は今いくらぐらいなんだろう?いくらぐらいのラインならば買い損でない金額といえるのだろうか?という判断をされる場合には、これは自分自身でそのエリアの情報を集め、客観的な値段を探ってゆくしかありません。(価格交渉に関しては後述)もちろん田舎物件に対しての価値基準は人それぞれですから、自身の要望に見合った物件ならば、値引きなどせず、売出価格そのままで契約に応じてもいいでしょう。

 

 

極端な事をいってしまえば、購入者である皆さんが業者や売主と売買取引をし、契約をまとめてしまえば、その売買価格がその時点での取引相場になるということなのですから、相場を自分でつくるんだ、ぐらいの姿勢が必要なのだともいえます。

【田舎物件】購入後の知恵

さらに物件引き渡し後にも覚えておくべき事があります。購入時には不動産取得税、各年次ごとに固定資産税、都市計画税がかかってきます。

 

 

贈与を受けて住宅購入した人は、贈与の翌年に確定申告をしなければなりません。住宅ローン利用して購入した方は「住宅ローン控除」(所得税の還付)を受けることができるので忘れずに覚えておくべきです。

 

 

都市部の物件同様、田舎物件であっても条件に適合する居住用物件であれば住宅ローン控除(所得税からの還付)が受けられます。

 

 

但しこれは、初年度自己申告(2年目からは年末調整によることもできる)なので注意してください。これで購入計画から残金決済に至る一連の取り引きの共通知識の流れの説明は終わりです。

 

 

但し、不動産の売買には様々な形態があるため、皆さんは個々の取り引きケースに応じた判断をしていってください。例えば、土地だけをまず購入してその後に建物を建てるといったケースであれば、まず仲介業者を通じて土地を購入し、その後にハウスメーカーなり、専門の工務店なりに建築を依頼する、といった具合です。

 

 

特に田舎物件の場合には地方色独自の商取引の習慣があるため(村内にブローカー的役割の人間がいて彼らが仲介者の役割をしたりする)、都心の物件の取り引きとはやや異なることがあります。他の箇所でも説明してありますが、その辺は臨機応変に対応してください。

購入申し込みと売買契約締結・残代金の決済・所有権移転登記、引き渡し

新築で抽選方式を採用している物件を除き、基本的に一般に出回っている流通物件は先着順で申込者の優先順位が決まります。

 

 

具体的には申込証拠金等を入れたり、買い付け証明等を記入して売り主と交渉してもらったりと、やり方は各社・取り引きケースに応じてマチマチです。

 

 

業者もしくは仲介機関を通じての売買交渉がまとまり、売買価格と引き渡し時期に関して話が煮詰まったら、契約の日程と時間を決め、いよいよ売り主との間で売買契約を締結します。

 

 

中古物件の場合には仲介業者立ち会いの下で、大規模開発の新築であれば契約会(呼び方は千差万別)という形を取り、複数の購入者が集って複数の購入者が同時に売買契約を取り結ぶことになります。

 

 

同時に業者を通じて購入契約を取り結ぶ場合には、契約前に必ず重要事項の説明を受けます。この重要事項説明とは契約後のトラブルを未然に防ぐために行われるもので、物件案内とは違い、必ず宅建主任者の資格を持つ社員によって行われます。(なお、売買の相手方が不動産業者ではなく個人の売り主との直接取引の場合には重要事項の説明義務はありません。

 

 

不動産業者と売買契約を取り結んだ経験のある方がよく勘違いするのですが、重要事項の説明というのはあくまでも、不動産業者が物件の売り主あるいは仲介・代理をする場合に必要になるものです)売買の相手方(売り主)に対してはこの契約時点で手付金を支払うことになります。

 

 

この手付金は売買価格の一部に充当されます。(業者を通じて購入する場合には、この契約時点で仲介手数料の半額を支払うのが通例。残り半額は残代金決済時に支払う。)融資を使って購入する場合には契約後にその申し込みを行うことになります。(なお、特に素人の方が引っかかりやすい売買契約締結に関しての個別・具体的注意点に関しては後述)また、この時点で農地の契約の時に多いのが仮登記です。

 

 

農地の場合、本登記の要件が整わないときに、将来の第三者対抗力をその時点で確保するための手続きとしてこの仮登記を行います。

 

 

農地の所有権移転は時間がかかるため、その間の売主側の転売や抵当権設定を防ぐために保全措置として行われます。(仮登記の間も農地は利用できますから利用面での支障はありません)売買契約が滞りなくすんでから後日、所有権の移転登記と残代金(売買価格から契約時に支払った手付け代金を差し引いた金額)の支払をします。

 

 

同時に売り主と買い主との間での固定資産税・都市計画税の清算もこの時点で行われます(日割り)。ここで読者の皆さんへの注意点として、特殊ケースを除き、残代金の決済と物件所有権の移転登記(売り主側の売却物件に事前に抹消できない抵当権が存在する場合にはその抹消手続き)は同時に行われるものだということを教えておきます。

 

 

抵当権付き物件では決済時点で抹消手続きが確実にできることを業者や担当の司法書士なりに明確に確認しておかないと、とり返しのつかないトラブルに発展する恐れもありますので注意してください(先に残代金を決済してしまった場合など、確実に抵当権が抹消できるという保証はどこにもありません)仲介業者側もそういった手順は整えますが、購入者側も自分の権利は自分で守る姿勢で臨む必要があります。

 

 

ちなみに所有権移転登記にかかる費用(登録免許税・司法書士への報酬)は買い主である皆さんの負担です。申請後10日前後で新しい謄本と権利書が皆さんの手元に届くはずです。(これら費用もあらかじめ司法書士の報酬の中に含まれているのが通例です)そして、すべての手続きが済んだ後、物件の引き渡しが行われます。

 

 

物件の改修・リフォームの必要性からこれら手続きをする前に先行入居することも当事者同士の相談で可能です。鍵の引き渡しは中古の場合は登記・残金決済時にまとめて行います。新築の場合には管理事務所で受け渡す場合があります。

【田舎物件】物件の情報収集・物件見学

一般的には情報誌に出てくるような都市部を中心とした物件というのは不動産業者の側にしてみてば、売れ残りのカス物件である傾向が強いのですが、こと田舎物件に関する限り情報誌の活用は有効だといえます。

 

都心に住んでいる方が遠隔地の物件の情報を効率よく収集するのは困難ですし、大まかな地域相場を把握する意味においても田舎物件の情報誌は大いに活用すべきです。(他にも、不動産会社自身が会員を募って、独自の田舎物件情報誌を発行していますのでそういったものも参考にするといいかもしれません)希望物件が見つかったら、直接、不動産業者に出向いて物件案内をしてもらいます。

 

 

その際、注意すべきは自分が求めているのと同一の物件が他の不動産業者から売りに出されていないかどうかを注意し、できるだけ売り主に近い業者を選んで案内を受けるようにすべきです。

 

 

というのは、物件情報というのは各不動産業者の間を流れており、基本的に不動産の物件情報というのは、どこの不動産業者からでも手に入れられるようになっているからです。

 

 

取り引きのケースによっては複数の不動産業者が絡み合うケースもあるため、余計な業者を介在させないほうがすんなりと契約交渉が運ぶことが多いわけです。現地物件の見学・案内時には当然、物件や周辺環境のチェックをするでしょうが、同時に案内を受けた不動産業者の信用度チェックも怠らないようにしましょう。

 

 

皆さんが案内を受けた不動産業者がその物件に対しての窓口業者となるためです。この段階で自分が購入を希望している物件の基準(どこのエリアで、どれぐらいの広さか等)を基に情報収集しましょう。そして、できれば広告・チラシ、情報誌等からの情報ではなく、不動産業者から直接渡される販売図面を入手した方がいいでしょう。

 

 

同時に情報収集の過程で物件の相場観も自然に磨かれます。そして、見たい物件が決まったら、不動産業者に連絡し、直接物件案内してもらう段取りを整えます。新築であれば、パンフレットを請求してより詳しい物件情報を得るといいでしょう。

 

 

新築の場合は、モデルルーム・現地販売会場での見学、中古の場合には不動産業者と同行して案内してもらうようになります。ここでは、物件そのものの質と、周辺環境をチェックし、同時に業者・営業マンの信頼度もみておくといいでしょう。

 

 

さらに注意点として、田舎物件の見学の場合には、他のタイプの物件見学と比較するとかなりな重労働になることを覚悟しておいたほうがいいでしょう。

 

 

不動産購入の際には現地をじっくりと見てから決めるのが原則ですが、田舎物件は特にその傾向があります。特に山林物件の場合、周囲から眺めただけでは下の地形状況はわかりにくいため、直接山の中に分け入って足場状況などを確認する必要があります。

 

 

物件によっては数千坪単位になってくるため、山を一周することもありますし、簡易な登山とかわらないこともあるため、キチンと物件を見て回ろうとすれば歩く運動量だけでも思った以上にハードなものになります。

 

 

ヘクタール単位での農地購入であれば車を使っても移動に費やすエネルギーは相当なものです。夏場であれば汗だくになるぐらいなので、大げさではなく専用の運動靴は必需品といえます。

 

 

軽いフィットネスでもするぐらいの気持ちでこないと後悔先に立たずということにもなりかねません。男性のスーツ姿や女性でハイヒールを履いたまま物件見学に来る人が本当にいる(しかも多い)ぐらいですから。

業者との関わりはどのようになるのかを把握する

一口に不動産業者と言っても、その形態はさまざまです。皆さんはこれから不動産業者と接するにあたって、その不動産業者とどのような関わり合いを持つことになるのかを認識してください。

 

 

特に初心者の場合、結構この辺は多くのお客さんが勘違いしやすい部分です。大まかに分けてしまうと、不動産業者から直接購入するケース(この場合皆さんの契約の相手方はその不動産業者です)と、不動産(仲介)業者を介して一般個人もしくは別の業者の物件を紹介してもらうケースがあるのですが、特に土地や古屋を中心とした田舎物件を購入しようという皆さんの場合にはどうしても仲介の形態での購入がメインになります。

 

 

一般にいわれるところの不動産(仲介)業者とは、売り主(業者・個人を問わず)には物件を売らせ、買い主には買わせ、その両者あるいは片方の側から取り引きのケースに応じ、仲介料として売買価格の3%+6万円の約定報酬(これは宅建業法によって上限額が決められています)をもらうという生業の仕事を業としています。

 

 

かつての私自身がこうした仕事をしていました。基本的には田舎物件を希望している読者の皆さんとしては建て売りの直接販売の物件を別として、こうした一般の仲介業者を通じて購入することを前提として購入計画を立てるのが問題ないと思われます。

 

 

[方法として不動産業者を出し抜いて直接売り主と契約交渉し、当事者同士で売買契約をまとめてしまう、といった方法もなくはないのですが、あまり不動産売買に馴れていない人間がこの方法を取る場合には相当の注意が必要だからです。

 

 

例えば、農地の売買などは、法律的には不動産業者でなくとも仲介をしてかまわないことになってはいますが、後日、もし何らかのトラブルが発生したときにそのトラブル処理をスムーズにおこなおうとするのならあらかじめ不動産業者か信頼のおける仲介機関を通しておいたほうがいいでしょう。

 

 

不動産に関しては売買の当事者が素人同士だと売買トラブルの責任所在がどうしてもあいまいになりますし、手続き上の手落ちが発生することが考えられるからです]

購入に当たってのマネープランをまず立てる

まず、あえていうまでもないのですが、これから田舎物件を前提とした不動産を購入しようという皆さんにとって、何はともあれ先立つものはお金です。

 

そんなことわかっているよ、と読者の皆さんからはいわれそうですが、現金(キャッシュ)買いをするにせよ、融資機関から融資を受けるにせよ、今の自分ならどの程度の物件を手に入れられるのかという大雑把な見積もり程度はたてておきたいところです。

 

現在どのくらいの自己資金(親族からの贈与・売却の目処の立ちそうな何らかの手持資産を含む)があり、いくらぐらいの借入れ(自身の返済能力を考慮した上で)をして、いくらの物件を手に入れるのかという、しごく当たり前のマネープランぐらいは立てておかないとイザ本当に物件購入契約という段になったとき計画倒れにもなりかねません。

 

 

特に多額の借入れを前提とした購入希望者であればとくにそうです。最近では居住用を目的とした不動産の融資審査もずいぶん甘くなっていますが、それでもあまり甘く考えすぎないほうがいいでしょう。

 

 

特に新しい土地への夢を大きく膨らませているお客さんの中には気持ちばかりが先行してしまって現実的な判断ができなくなってしまっている方が多数いらっしゃいます。

 

 

目安としては、高額のリゾート物件や大規模分譲物件をローンを組んで購入する際には、物件価格の2割から3割程度の頭金と諸費用が必要です。低価格の農村地帯や山林物件となると、基本的に現金決済が前提です。

 

 

こうした物件には担保価値がないため、ローンそのものが使えない場合があるのです。ローンも状況に応じて使えますが、もともとが安い田舎物件の場合には自己資金はあればあるほど、それに超したことはありません。

田舎不動産を安全・有利に買う!

田舎不動産を購入するにあたって、皆さんは一般には不動産業者を利用することになります。不動産業者というと、「なんとなくとっつきにくい」、あるいは「いかがわしそう」といったイメージを持たれる方が多いのですが、今の不動産屋はそんなことはありません。

 

ただし、私がこれから紹介していくような方法・ノウハウを知りたいと皆さんが望んでも、不動産業者の側から積極的に教えてくれるようなことはおそらくありません。(彼らも当然商売ですからお客の利益を中心に考えるよりも、まずは自分達、自社の利益を第一優先したアドバイスをしてしまいがちだからです)それゆえ本項では、かつてこの業界に身を置いていた私の体験から、田舎不動産購入の裏技を含め、一般人にはなかなか見えにくい部分、不動産業者や一般の情報誌では得られない本当に役に立つ知識だけを紹介していこうと思っています。

 

 

まずは不動産購入に至るアウトラインを紹介しておきたいと思います。今後皆さんがどんな田舎不動産を手に入れようとするにしろ、最初の資金計画から最終的な登記に至るまでの大まかな流れも知らないのではどうにもなりません。

 

 

これまでに何度も不動産売買をしてきた経験のある方でも、漠然とはわかっていてもこの辺のことが意外に解っていないのではないことが多いといえます。そこで、一番多いケースとして、業者を通じて購入することを前提にしたやり方のフレームワークを整理しておきました。

 

 

詳細は後述しますのでまずは購入するまでに至る流れを把握しましょう。{このフレームワークは、他の一般の住宅購入の書籍や情報誌には紹介されていない得する方法に基づいて紹介してあります。特に田舎物件の場合、物件探しから、契約に至るまで一般の物件探しとは方法が異なっています。

 

 

契約以後のスケジュールにおいても、様々な知識・注意点を網羅しましたので参考にしてください。そして、どこでどんなお金が必要になってくるのかもこのタイムテーブルを参考に確認しておくとよいでしょう}