不動産物語

不動産売却について詳しく解説

【不動産売却】提案力や問題解決能力の有無は実績で見定める





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では、提案力や問題解決能力を備えているか否かを、どう見定めればいいのでしょうか。

 

これはやはり、どこでどのような業務に携わってきたのかという実績で判断するしかないと考えられます。

 

これら2つの能力が要求される不動産コンサルティング業務に関しては、資格認定制度も用意されています。公益財団法人不動産流通推進センターが1993年度から運用する「不動産コンサルティング制度」です。

 

センターが制度に基づき不動産コンサルティング技能試験を実施し、試験合格者のうち実務経験5年以上などの要件を満たして登録した人を「公認不動産コンサルティングマスター」として認定するものです。

 

ここでもやはり、実務経験が重視されているわけです。過去の実績によって、その人の提案力や問題解決能力が磨かれるということはいうまでもありません。

 

私の場合、これらの能力が求められるいまの業務に携わるようになったきっかけは、ある地主が川崎市内の駅近くに所有していた土地を売却したいと相談を持ちかけてきたことでした。広さは1000坪ほど。

 

そこに、50戸規模の賃貸住宅とご自宅が立っていました。賃貸住宅が立っているので、そのままでは売却しづらい土地です。

 

ここを更地にして、しかも斜面地ながら大規模な造成工事なしに最大限の有効活用を図ることができる状態にまで仕上げたのです。

 

それによって、売り手も満足できる高値での売却を実現することができました。この事例を皮切りに、同じように提案力・問題解決能力が求められる売却相談を持ちかけられることが増えていき、それらに対応していくうちに提案力や問題解決能力を高めてきたのです。

 

分譲マンション用地の仕入れ業務も数多く手掛けてきたので、土地の評価の定め方にも独自のやり方を持っています。仮測量を実施して真北をまず定め、それによってその土地にどのような建築規制上のルールが課されるのかを見通すのが第一段階です。

 

そして実際に建物のプランを当てはめてみながら、その土地に建設できる床面積をはじき出します。この床面積の大きさが分譲マンションの事業性を表しますから、それによって土地の評価が定まるわけです。

 

詳細な検討を経た上での精緻な評価なので、その土地を購入する場合には事業性を確保できるぎりぎりの価格まで提示できます。

 

床面積が想定に比べ減ってしまい、事業性にマイナスの影響を与える、そうしたリスクを見込んで購入価格を抑える必要がないからです。これも、開発用地の仕入れ業務で培ってきたノウハウです。

 

このノウハウが、立場を変えて不動産の売り手側に回ったときにも生かされます。過去の実績が物語るのは、どのような能力に長けているかという点だけではありません。

 

そこには、誰と仕事をしてきたかという点も表れます。それによって例えば、どのような人的なネットワークを持っているかも分かります。

 

不動産の順法性という観点を強く意識するのは、大手企業との付き合いが長いためです。こうした具体の仕事を通じて得られるネットワークや仕事観というものも、過去の実績からにじみ出るものです。

 

パートナー選びにあたっては、実際に相手と話し、過去の実績を聞き出した上で、こうした視点から、安心して組むことができる相手か否かを見極めてください。