【不動産売却】過去の実績も大事だが、最新な動向も見ておこう
不動産はその立地や規模などの条件によって買い手が異なってきます。
住宅地で規模の小さな土地であればエンドユーザーでしょうし、商業地の収益ビルであれば投資家や相続税対策を考える資産家などです。
そうした条件に応じた適切な買い手を念頭に置いた上で高値で売却できる方策を提案するには、不動産を利用するさまざまな事業に通じている必要があります。
最新の動向まで把握していれば、いまの時代、この立地ならこういう事業で収益を上げることができる、と適切な買い手の見当をつけることができるからです。
買い手にとっての不動産の価値とは買い手側がそこで見込む収益性ともいえるので、見込まれる収益性が高いほど買い手側が提示する購入希望価格の水準も高まります。
不動産を利用する事業のうち、いま勢いを感じるのは、シェアハウスです。実際、東京都大田区内で中古建物付きの30坪程度の土地を、その運営会社に総額約1億2000万円で売却したことがあります。
この中古建物を改修して、そのままシェアハウスとして運営していくそうです。中古建物そのものは最終的にはシェアハウスとしての運用益を狙う投資家に売却するというビジネスモデルです。
この土地は中古建物を取り壊し、建物を新築して運用しても8%程度の利回りが見込めるという条件に恵まれたものです。
ただそれには、既存建物の取り壊し工事と新築建物の建設工事の費用と時間が必要です。新築建物が完成し、そこにテナントが入居してからでないと賃料収入は発生しないので、工事期間中は収益を生みません。
投資家目線でいえば、そこに問題を抱えています。改修工事程度ですぐに収益を生み出す事業の方が、資金を振り向けやすいわけです。
この例はどちらかというと、何か問題解決を図ることによってというよりは、最適な買い手を見出し不動産とうまくマッチングさせることによって高値で売却できたケースです。
不動産を利用したさまざまな事業の最新動向に通じていれば、こうした別の角度から不動産の価値を顕在化させることが可能なのです。