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不動産物語

不動産売却について詳しく解説

【不動産売却】面積を決める重要な測量では、測量会社との協働も必要?





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測量という作業は、この例でも見てきたように土地の所有権の範囲、つまり土地の広さを実測で明らかにする重要なものです。

 

同じ坪単価100万円の土地でも、土地の広さが100坪なら1億円、101坪なら1億100万円です。

 

土地の広さが少しでも違えば、当然、その価格も異なります。もし土地の広さに誤りがあって、100坪のつもりで購入した土地が実際には99坪しかなかったら、1坪分の金額、坪単価100万円であれば100万円の損が発生するわけです。

 

したがって、買い手としては当然に、正確な広さを基に土地を売買したいと考えます。測量結果を記す測量図がないため売却できない不動産があるのは、こうした事情からです。

 

測量で土地の所有権の範囲と広さを確定するのは不可欠です。ただ、測量を機械的にこなしてもらうだけではその役割を十分に発揮できないケースがあります。測量されていないならまず測量を実施するのが必要とはいえ、いざ実施してみたところ、新たな問題が発覚することもあるからです。

 

そのとき、測量を機械的にこなされては、売り手としてかえって不利になりかねません。測量を実施するのはいいとして、依頼先選びや依頼先との関係にも気を配る必要があります。具体例を基に説明しましょう。

 

第一章で紹介した東京都世田谷区内の中古ビルの例です。私が売り手から買い取り、収益ビルとして売却することを計画している案件です。このビル売買では測量図がなかったため、買い手側の私の負担で測量を実施しようとすると、たいへんなことが分かったのです。

 

隣地境界に関することです。この中古ビルと隣のビルとの間には狭い通路が通っています。そしてこの通路の出入り口部分にはカギ付きの簡単な扉が設置されています。

 

実はこの通路部分は、隣のビルの敷地内にあたります。しかし通路の扉は、中古ビルの以前の所有者が勝手に設置したものです。所有地内を通る通路への出入り口を隣のビルオーナーに管理されるというのは、たまったものではありません。

 

その後、扉のカギを手に入れ、自ら管理するようにはなっていたそうです。そうした不思議な関係性を持つ隣同士です。

 

その境界は案の定、はっきりしていませんでした。境界ポイントが欠けているので、隣地境界としてどのような境界線を描けるのか、明らかでなかったのです。そうしたなかで機械的に測量し境界ポイントを定めて、その間を結んでいくと、そうして確定した隣地境界を、中古ビルの敷地がごくわずかに越えてしまいかねないことが明らかになりました。

 

中古ビルの売買を前提に考えると、このままというわけにはいきません。普通の測量会社に普通に依頼しただけでは、越境の恐れがあるという客観事実が突き付けられるだけです。

 

測量会社で業務としてやってくれるのは、そこまででしょう。それ以上の期待はかけられません。この例の場合、測量を依頼したのが私のような不動産のプロだったので、越境の恐れという問題にどう対処すればいいか、測量会社とともに探っていくことができましたが、一般にはなかなかそうはいきません。

 

中古ビルの売却そのものを断念せざるを得ない可能性さえあります。具体的な対処方法は、隣地境界の両端を定めた境界ポイントを直線では結ばず、途中に折れ点と呼ばれる中継点を置いて、そこを経由させるように線形を変えることです。

 

土地の広さに支障を来すことなく、越境の恐れをなくすには、それしかありません。すでにある境界ポイントは動かせませんが、それらをどのように結ぶかは任意です。

 

隣り合う土地の所有者同士が同意すれば、それで済む話です。この例で言えば、隣のビルの所有者を納得させられればいいのです。

 

途中に折れ点を置くことの合理性を説明できる根拠を示しながら、交渉していくことになります。折れ点を置くことの合理性を説明できる根拠としては、既存の境界ポイントを基に測量を重ね、隣地境界を推定した結果を用います。その上で、隣地境界近くの通路の扉をこちらの費用負担で撤去することを、交渉材料として持ち出す考えです。

 

話を自らに有利に進めるのに必要な交渉材料のそろい具合が、カギを握ります。それには、測量会社との協働も欠かせません。

 

測量をただ作業として依頼し、その結果を機械的に受け入れるのではなく、隣地境界の確定作業を自らに有利に進めるにはどうすればいいか、測量の専門家と一緒になって考えていこうとする姿勢が必要です。

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