【不動産売却依頼(媒介契約)】不動産業者は、複数の業者に当たった方がよいでしょうか?
A.1989年バブル最盛期には、不動産業界内で指定流通機構(通称レインズ)はまだ構築されておらず、不動産仲介業者の大手が運営する「OpenMarket」しかありませんでした。
他は紙媒体しかなく、現在と比較すると情報の格差という意味では、業者間でもかなり偏りがありました。現在ではレインズも含め、中小の不動産業者も不動産情報を外部へ発信できる環境となりました。
売却したい不動産が、どのような購入層にあてはまるのか?を想定し、戦略的に媒介契約を使い分けることが得策です。
【解説】
媒介契約の種類と内容
(1)一般媒介契約
①レインズへの物件登録の義務はありません。
②売主への売却活動の業務報告義務はありません。
③売主は複数の仲介業者に重ねて依頼できます。
④売主は自ら探した購入希望者と直接(仲介業者を入れず)売買契約を結ぶことができます。
(2)専任媒介契約
①レインズへの物件登録が必要です。(契約後7営業日以内)
②売主への売却活動の業務報告義務があります。(2週間に1回以上文書等で報告)
③売主は特定の1社の仲介業者に依頼します。重ねて依頼はできません。
④売主は自ら探した購入希望者と直接(仲介業者を入れず)売買契約を結ぶことができます。
(3)専属専任媒介契約
①レインズへの物件登録が必要です。(契約後5営業日以内)
②売主への売却活動の業務報告義務があります。(1週間に1回以上文書等で報告)
③売主は特定の1社の仲介業者に依頼します。重ねて依頼はできません。
④売主は自ら探した購入希望者と直接(仲介業者を入れず)売買契約を結ぶことはできません。
「不動産業者」といっても千差万別であり、業者により得意分野と不得意分野があるため、媒介契約を締結する際に、どの種類で締結するかを不動産業者とよく話し合う必要があります。
媒介契約締結後、販売状況に応じて、価格の変更や、期限の更新(通常媒介契約期間は3ヶ月ごとで区切ります。)を行いますが、これについては、変更事項を記載した覚書で更新・変更をすることとなります。
レインズとはRealEstateInformationNetworkSystem(不動産流通標準情報システム)の略称で、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピュータ・ネットワーク・システムの名称です。
指定流通機構の会員不動産会社が不動産情報を受け取ったり情報提供を行うシステムで、会員間での情報交換がリアルタイムで行われています。
国土交通大臣流通機構は全国を4つに分けて東日本レインズ、中部レインズ、近畿レインズ、西日本レインズとして運営されています。