不動産物語

不動産売却について詳しく解説

【不動産売却税金】不動産売却を考えた場合、不動産業者にはいつ頃から相談をした方がよいですか?





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A.目的達成の具体的な期限があるのであれば、すぐに相談されることをお勧めします。通常でも売却完了まで約半年かかることが見込まれます。

 

【解説】お客様との打合せでは、納期や方法を決めるほか、具体的に納期の障害となる項目がないかを確認します。

 

1、打合せの事項

(1)動機買換え(家族が増えた)、転勤、両親と同居、不要不動産(離婚)、合併統合、事業再生など。

 

(2)いつまでに(納期)

納税のために、購入物件の代金支払いに合わせたい、税制上の恩恵を受けるために。

 

(3)だれが(物件所有者)

本人、妻が、父、母が、叔父、叔母が、相続人全員で。

 

(4)何を(対象不動産)

ご自宅、別荘、相続不動産、投資用マンション、事業用物件、自社社宅、遊休不動産自社社屋など。

 

(5)どのように(方法手段)

指定流通機構(レインズ)への登録、ポータルサイトへの掲出、既存顧客へのご紹介、新聞の折込チラシへの掲載、不動産情報誌への掲載、などの媒体を利用する。(OPEN型)現在居住中なので…、ご近所に売却をしていることを知られたくないので…、任意売却(債権者との調整を図りながらの売却)なので…、会社の資産を売却するので、風評被害を避けたい。(CLOSE型)

 

(6)どこで売却(売却の窓口)

売却依頼をする会社(デベロッパー系不動産会社、金融系不動産会社、電鉄系不動産会社、弁護士・税理士系不動産会社、管理会社系不動産会社、中小不動産会社など。と、かなりの情報をお聞きすることとなります。

 

2、売却の障害、納期の障害となる要因(1)相続登記が未了不動産の登記については、未了であっても罰則や義務の定めはありません。

 

しかし、不動産の売却をする場合には、不動産登記が未了では売却はできません。

 

たとえば相続財産を売却する場合、売却前に、被相続人から相続人に土地や建物の不動産の名義変更手続きを行う必要があります。

 

「遺産分割協議書」を作成した場合でも、その分割時点では相続人間の合意が取れていても、時間が経過すると、「共有者の一人に二次相続が発生していたり」「後から分割の仕方に不満が出たり」と当時と状況が変化することがあり、その場合は簡単に相続登記を行うことが出来ません。

 

通常の相続登記であれば、1ヶ月程度で完了するところを、場合によっては登記の完了の目処が立たない場合もあります。

 

(2)測量図測量図の種類には、現況測量図と確定測量図があります。

 

現況測量図:民有地について、隣地所有者等の立会いを得て、測量士、土地家屋調査士等の資格ある者により作製された測量図。国または地方公共団体が所有、管理している道路、水路等(官有地)との境界境の確定は必要ありません。

 

確定測量図:官有地、民有地について隣地所有者等の立会い(境界確定)を得て、資格ある者によって作製された測量図。

 

従前では、一般の住宅地、戸建も公簿売買(登記簿の面積での売買)での取引が行われていましたが、登記簿面積と実測面積はほとんどが一致していないため、後々にトラブルになるケースもあり、買主側がこれらの測量図の作製を求めることが多くなりました。

 

これらの測量図は製作過程で、隣地、近隣に協力を得なければなりません。ふだんよりご近所付き合いをされていれば、協力も得やすくなりますが、全く交流がないと立会いスケジュールも遅れるばかりか、境界石等が不明なケースでは最悪の場合、境界のポイントも定まらないという事態になります。

 

立会い日や、ポイントが定まらない理由には、「知らず知らずのうちに、こちらの塀が隣地に越境していた」「塀の所有がどちらかわからない」「先代より昔と境界石の位置が違うと聞いている」「隣地が所有している測量図をもとに割り出すと、現況のポイントがずれてしまう」「お互いが(先代が)好意を持っていない」等々、様々な理由が考えられます。

 

また、相続税の物納申請や法人(宅地建物取引主任業者を含む)との取引となると、確定測量図を作製しなければなりません。

 

確定測量図の作製は、国または地方公共団体の立会いが必要となりますので、確定測量図ができるまで、通常で3ヶ月を要します。

 

査定ポイントが定まらなければ、時間ばかり経過し、完成まで目処が立たなくなってしまいます。

 

(3)売却不動産の整備が必要売却不動産が借地ということであれば、事前に「売却する旨(譲渡承諾を得る)」を地主と話し合い、売却時の諸条件も含め決めておかなければなりません。

 

自宅に接している道路が私道(個人、共有で所有している道路)の場合、上下水道、ガス管を新たに敷設する場合には、土地所有者の承諾が必要となります。

 

認定外道路(公道として認定することが困難な道路、維持管理は市区町村)を除きます。また同じ私道でも、行き止まりの道路らしい私道(通常「位置指定道路」(建築基準法の第42条第1項第5号)と呼びます。)に面している場合、本来の役所に申請した図面と現況の道路形状が異なり、再建築をする場合、接道要件を満たしていない場合がありますので注意が必要です。

 

越境物の撤去(ひさし、塀)などは、過去に取り決めが無い場合、新たに隣地当事者との取り決め(覚書)が必要となります。

 

(4)本人確認にともなう、成年後見制度平成20年3月の「犯罪収益移転防止法」の施行により、不動産売買の取引に関与する宅建業者は、売主・買主及びその代理人の本人確認を行い、本人確認記録の作成・保存、取引記録の作成・保存、「疑わしい取引」の届出を行うことが義務付けられています。

 

したがって、不動産にまつわる事務手続きでも、本人確認が必要となり、たとえば売却の依頼を頂く際の、媒介契約時にも必要となります。

 

法律行為を行う際には、行うに必要な判断能力が不可欠となり、通常不動産の売主は、未成年者ということはあまりなく、どちらかというと高齢者の方が多くなります。

 

現在の市況では、売却の依頼をいただき具体的な買主をお探しするまで、長いものでは数年を要する案件もあります。

 

従って、媒介契約時には、お元気で判断能力があった方も、売買契約時、最終の残代金・決済時には判断能力がなくなってしまった、という事態も考えられます。

 

このような場合の問題の解決策として、「成年後見制度」を利用するという方法があります。

 

成年後見制度」とは成年後見制度には、任意後見制度と法定後見制度があります。任意後見制度:将来、判断能力が不十分となった場合に備えて、「誰に」「どのような支援をしてもらうか」をあらかじめ契約により決めておく制度です。

 

法定後見制度:判断能力が不十分になった場合に、家庭裁判所が、援助者として成年後見人等(成年後見人・保佐人・補助人)を選ぶ「法定後見制度」が利用できます。利用するためには、家庭裁判所に審判の申立てをします。

 

本人の判断能力に応じて、「後見(判断能力がまったくない方)」、「保佐(判断能力が著しく不十分な方)」、「補助(判断能力が不十分な方)」の制度を利用できます。売却のお手伝いをさせていただく際には、これらのような事柄に注意しながら進めてまいりますが、状況によっては、解決に時間がかかる要件もあります。

 

お客様の背景やご事情は、どれ一つと同じものはありません。一つのお取引を終えると、そのお客様の個人の情報が全て分かってしまいます。逆に、これだけの情報を見ず知らずの担当者に開示するわけですから、信用できる人へのご相談をお勧めします。