不動産物語

不動産売却について詳しく解説

【不動産売却の税金】9号買換えの事例





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Q.私は不動産賃貸業を営んでおりますが、空室が多くなった物件を売却し、私の所有している未利用の土地に新たな木造アパートを建築することを検討しております。

 

売却する土地と建物は相続により取得したものですが、先代が昔から所有していたものであり、売却予定額1億円に対して取得費が2,000万円のため、譲渡益が8,000万円ほど出てしまう予定です。

 

新たな木造アパートの建築予定額は1億円ですが、買換え特例を適用した場合、不動産所得に対する税金が増えると聞きましたがどういうことでしょうか。

 

A.買換資産が建物等の減価償却資産の場合、減価償却費が少なくなるため、買換え特例を適用しない場合と比較して、不動産所得が増える可能性があります。

 

【解説】

1、買換資産の取得価額買換資産の取得価額の計算は、売却金額と購入金額の大小に応じて以下の通り計算します。

 

①売却金額≦購入金額A:購入金額−売却金額×80%B:(取得費+譲渡経費)×80%A+B=買換資産の取得価額②売却金額>購入金額A:購入金額×20%B:(取得費+譲渡経費)×(購入金額×80%)/売却金額A+B=買換資産の取得価額あなたの場合、売却金額と購入金額が同額のため、①の計算式により買換資産の取得価額を計算します(譲渡経費はないものとします)。

 

A:1億円−1億円×80%=2,000万円B:(2,000万円+0)×80%=1,600万円A+B=3,600万円2、減価償却費の計算減価償却費は不動産所得の計算上、必要経費に算入します。

 

減価償却費は、通常購入金額を取得価額として計算しますが、買換特例を適用した場合には、上記の通り取得価額が少なくなり、減価償却費も減少します。

 

あなたの建築予定の木造アパートの耐用年数は22年ですから、1年分の減価償却費を比較すると以下の通りとなります。

 

①買換え特例を適用しない場合取得価額1億円×0.046=460万円②買換え特例を適用した場合取得価額3,600万円×0.046=165.6万円→差額294.4万円左記の差額分、減価償却費が毎年少なくなるため、買換え特例を適用する際には充分な検討が必要です。