【不動産売却】売却を依頼するというより「パートナーと組む」意識が大切
不動産を売却しようとする理由はさまざまでしょうが、そのゴールとして目指すところは、誰しも共通です。その不動産を手放すこと、そして、それによって代金を得ることにほかなりません。
そしてその代金はできるだけ多い方がいいに決まっています。その売買仲介を任された不動産会社はどう考えるでしょう。
誠実な担当者であれば、売り手の立場に立って買い手側とのマッチングを成功させようと努力するに違いありません。
しかし、その不動産の条件を見直して評価を引き上げるという発想にまでは至らないはずです。売却情報の見せ方に関して工夫はするにしても、不動産の条件やそれを基に評価した結果である査定価格は揺るぎない前提としてとらえています。
しかし、不動産をできるだけ高く売却するというゴールを目指す場合、それが本当に適切なアプローチといえるのでしょうか。
非の打ちどころのない、誰もが欲しがるような不動産であれば、それでも構いません。査定価格で十分に高値のはずだからです。しかし、そこまで条件に恵まれている不動産は世の中めったにありません。
自然発生的に出来上がってきた昔ながらの市街地であれば、土地の境界や道路との関係、権利関係などに関して、何らかの問題点を抱えていて決して不思議ではありません。
そうした不動産を評価する上でマイナス要素になる点を解消することでその評価を引き上げることができるとしたら、どうでしょうか。ここまで述べてきたように、それは、パートナー選びさえ誤らなければ十分に可能です。
そうであれば、そのマイナス要素を解消することから手を付けるというアプローチの方が、できるだけ高く売却するというゴールを目指すのに適切ではありませんか。もちろん、すぐに売却したいという場合には、時間の制約がありますから、どこまで実現できるか、課題は残ります。
だからこそ、売却しなければいけないぎりぎりの時期になって行動を起こすのではなく、日ごろから、自ら所有する不動産の価値を把握した上で、その価値を維持・向上できるように、やれることはやっておくべきなのです。
不動産を所有している以上、それを将来売却する可能性は、決してゼロではありません。いまは売却しようと考えていなくても、時代の流れのなかで売却せざるを得ないときがやってくる可能性は十分にあります。
それには早めに備えておく必要があります。そういう意味では、所有する不動産の価値を日常的に把握し、その維持・向上を図るのをサポートする不動産のプロの存在が求められます。不動産を売却する段階になって初めて頼りにされるのではなく、日ごろからそうした役割を担うプロの存在です。
こうしたプロをここまで一貫してパートナーと呼んできたのは、日ごろからの関係性を重視する必要があるという考え方からです。いまはもう、不動産を売却する時点だけその道のプロに依頼すればいいという時代ではありません。
それ以前から問題解決能力に長けた不動産のプロと手を組んでおくことが欠かせない時代です。マイナス要素の解消による不動産価値の引き上げという本当の意味での高値売却を目指すなら、不動産会社との付き合い方にも見直しが必要です。
不動産の売却という行為の前にその価値をまずは一緒になって引き上げていこうとする相手と二人三脚で高値売却というゴールを目指すことを、ぜひご検討ください。