不動産物語

不動産売却について詳しく解説

【不動産売却の税金】1号買換えの事例





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Q.私が経営している会社の工場が移転することになりました。これに伴い、会社の工場の敷地として私個人が所有していた土地を売却することになりました。

 

この売却代金を使って、同じく、新しい工場の敷地を私個人が購入し、会社に賃貸することになりました。事業用資産の買換えの特例を適用して、税金の繰延べをしようと考えていますが、留意する点はありますか?

 

A.以下について確認が必要です。

 

1.譲渡する資産及び購入する資産の区域の確認

 

2.購入する土地の面積の確認

 

3.譲渡する資産の所有期間の確認

 

4.購入する期間5.事業の用に供する期間

 

【解説】

1、区域の確認1号買換えを適用する場合には、譲渡する資産の区域が既成市街地等の区域内にあるかどうか、購入する資産の区域が既成市街地等外にあるかどうかの確認が必要です。

 

もちろん、既成市街地外であっても、海外は含みません。既成市街地等内の市で一部の区域が対象となっている場合は、必ず当該市当局に確認することが必要です。

 

2、購入する土地の面積の確認購入資産が土地等である場合には、購入する土地等の面積が原則として、譲渡した土地等の面積の5倍以内という制限があります。

 

この5倍を超えると、超える部分は特例の対象とならないことになっています。なお、一定の農地へ買換えた場合は、10倍以内になる場合があります。

 

例えば譲渡資産300㎡6,000万円(昭和56年取得、取得価額3,000万円)買換資産2,000㎡6,000万円買換えの対象となる部分2,000㎡のうち、300㎡×5=1,500㎡が対象となります。

 

6,000万円×1,500㎡÷2,000㎡=4,500万円譲渡所得の計算収入金額:6,000万円−(4,500万円×80%)=2,400万円必要経費:3,000万円×2,400万円÷6,000万円=1,200万円2,400万円−1,200万円=1,200万円が譲渡所得の金額となります。

 

3、譲渡する資産の所有期間の確認譲渡する資産は、譲渡した日の属する年の1月1日において所有期間が10年を超えていることが条件となっています。

 

購入した日から譲渡した日までが10年を超えるという条件ではないので、注意が必要です。

 

4、購入する期間譲渡した年、譲渡した翌年中、譲渡した前年中に資産を購入することが要件となっています。

 

5、事業の用に供する期間資産を購入した日から1年以内に事業に使用することも要件です。購入してから1年以内に事業に使用しなかった場合には、特例は適用できません。

 

6、適用期限この特例の適用期限は、平成26年12月31日までとなっています。